お役立ちコラム

介護職員の不足問題

 

 介護が必要な人の数ですが、これは年々増加しています。

厚生労働省が実施している「介護サービス施設・事業所調査」によると、介護保険制度が始まった

平成12年度の要介護者(要支援者含む)は218万人でしたが、平成25年度は564万人になり平成12年度の約2.6倍に増えています。

一方、介護職員の数は平成12年度は54.9万人でしたが、平成25年度は176万人で約3倍に増えています。介護が必要な人の約3人に1人、介護職員がいるという計算になります。

 

2025年度には介護職員が約253万人必要になるとされています。それに対し供給の見込みは約215万人。およそ38万人の介護職員が不足する見込みです。

2025年と言えば、今の団塊の世代が75歳以上になる年。要介護者も確実に増加すると推測されています。

介護保険制度が施行された2000年以降、介護職員の数は年々増加していきました。55万人しかいなかった介護従事者は、2013年には171万人にまで増えたのです。しかし、それでも人手不足は解消されていません。

 

※介護職員が不足している理由※

・少子高齢化によって生産年齢人口が減っている

高齢者の増加とは裏腹に、出生率は低下の一途をたどっています。

日本の年間出生数は第1次ベビーブーム期(19471949年)で約270万人、第2次ベビーブーム期

19711974年)で約210万人でした。しかし年々出生数は減少し、1984年には150万人を割り

ました。

1991年以降は、増減を繰り返しながら緩やかな減少傾向となっています。

総人口に対する生産年齢人口の割合は、1995年の69.5%をピークに年々減少しています。2025年には、58.7%まで下がるという予測も。

 

・定着率が悪い

介護職の離職率は2005年度以降 20%を下回り、ここ数年は16%台で推移しています。

近年は一部の事業所の努力もあって、離職率は少しずつ全産業の平均に近づいています。

しかし労働に見合わない低賃金・人間関係で揉める職場環境などを理由に、介護職を辞めてしまう人

はいまだに後を絶ちません。

全産業の勤続年数は平均約12年であるのに対して、福祉施設介護員は平均で約7年、ホームヘルパーは

5年と短くなっています。

 

※人手不足の本音※

・きついイメージが定着

介護職に対して、きつい仕事というイメージを持っている人は多いでしょう。介護係の業務内容は、

とにかく体力を必要とします。人を抱きかかえたり、起こしたりしますので、腰や肩を痛めてしまう

介護職員も少なくありません。

また、施設によっては24時間稼働しているため、就業時間も不規則になります。人手が足りず、何日も連続で夜勤をしなければならないケースもあります。

定時に行って定時に帰る、という仕事ではありませんので、基本的にライフスタイルよりも仕事を優先せざるを得ないのが現状です。

 

・低賃金

介護業界において離職率が高い原因は、低賃金であることも挙げられます。介護士として働いている方の年収は250400万円といわれています。

肉体労働で、ハードな仕事内容にも関わらず、それに見合った賃金を得られないのであれば、労働者はモチベーションを保つことが難しくなります。

特に、家庭を持っている介護職員にとって、この年収で家族を養うことは困難といわれています。単身者なら、上記の賃金でも生活できるかもしれません。

しかし、家族を養う立場の方にとっては将来が不安になってしまうでしょう。そのため、結婚やお子さんができたタイミングで離職する方が多いようです。

 

・休みが少ない

介護業界において週休2日、必ず休みをもらえている方は非常に稀でしょう。介護業界の休日は基本的に週に1回が当たり前。徹夜からの日勤なども行っている施設も珍しくありません。

こんな激務では現場の介護職員はどんどん疲弊します。しかし、事業所がその状況を改善できないのは、人材が不足しているからです。人が足りないから、いる人間で間に合わせようとする。結果、職員が疲れて辞めてしまう、という悪循環になっているのです。

これではいくら高いモチベーションを持って仕事に就いても、体力がもたないでしょう。

また、休みなしで働いても、その労働が給料に反映しないことも珍しくありません。固定給の場合、

いくら働いても給料は変わらないからです。

 

※現場に及ぼす影響※

人手不足の現状や「低賃金・重労働」といったネガティブなイメージの蔓延によって、若者の介護離れが進んでいます。結果、どこの事業所も新卒者の採用が難しくなっているのが現状です。

現場で働く介護職員は、その間にも人手不足のしわ寄せがきて苦しんでいます。新人は来ない、人は

辞めていく……その分だけ一人当たりの仕事量が多くなるからです。

景気が回復したら今いる介護職員でさえ、より高給を得られる他産業に流れてしまうかもしれません。

 

※政府の対策※

厚生労働省は介護人材の確保のため、平成27年度補正予算案・平成28年度当初予算案で3つの柱で

出来た対策を打ち出しています。

3つの柱とは「離職した介護人材の呼び戻し」「新規参入促進」「離職防止・定着促進」です。

 

・離職した介護人材の呼び戻し

一度介護職を辞めてしまった人に対して、再就職に必要な準備金の貸付を行います。条件は1年以上

介護職員としての経験があること。

再就職して2年間働き続ければ、準備金の返済は全額免除されます。

また福祉人材センターに「離職した介護職員の届出」を受けるシステムを新設し、ニーズに応じた求人情報を提供するなど、再就職支援対策を強化します。

 

・新規参入促進

介護職を目指す学生を増やして入学後の勉学を支援し、卒業後の介護現場への就職・定着を促進する

ため、学費の貸付を実施します。卒業してから一定期間内に介護業界へ就職し、5年間介護の仕事を

続ければ、学費の返済は免除されます。

また全国でおよそ120万人いると言われている、介護ボランティアを行っている中高年齢者(5064歳)に対しても介護業界への参入を促していきます。

その中で働く意欲のある人を対象に、ボランティアセンター・福祉人材センター・シルバー人材セン

ターと連携して、介護職になるための基礎知識を学ぶ研修を実施します。

 

・離職防止・定着促進

介護職員の離職理由に対して総合的な対策を実施して、離職防止・定着促進を進めていきます。

医療介護基金を新たに追加して増やすことで、目標の達成を狙っています。

 

※まとめ※

人手不足は労働環境を悪化させるだけでなく、事業所の閉鎖などサービスの縮小にもつながって

しまいます。賃金アップや職場環境の改善、新しい人材の参入によって、勢いのある魅力的な業界に

なることが望まれますね。

政府の掲げる施策がこれからどのように進められていくのか、今後も目が離せません。



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